カルテック株式会社 と 3Dプリンタ
大阪に本社を構えるカルテック社は、『光触媒で地球をキレイにする』を企業理念として掲げ、光触媒原材料ならびに応用製品の開発、販売事業を展開されています。
Formlabs社製3DプリンタForm 2、Form 3Lを導入し、製品の開発設計の効率化を貢献しています。
Form 3L導入の目的 と 効果
お客様に長くご愛用いただく商品だからこそ、何度も試作するなど試行錯誤の連続です。そこで、コストパフォーマンスの高い3DプリンタとしてForm 2を導入し、試作内製化を進めてきました。後にForm 3Lを導入し、大型部品の試作内製化も図れ、開発期間の短縮ができるようになりました。
試作内製化のメリットは、外注コストの削減に加え、開発期間の短縮です。外注時には試作モデルを手に入れるために1週間~10日ほどかかっていましたが、Form 3Lを利用することで2日程度に短縮できるようになりました。
また、外注では複数のアイデアを試すことがコスト的に難しいケースが多々ありましたが、内製化により複数のアイデアを同時に検討しやすくなる効果もありました。複数のアイデアによって試作したものを手にとって議論できるようになり、今までにない深いレベルで各部門と活発に議論できるようになりました。
下写真のように、3Dプリンタで外装部品を造形し、その造形モデルの内部にファンなどの電子モジュールが組み込むことで、製品使用を想定した機能検証ができるようになりました。
試作モデル(左側)と実製品(右側)および 試作モデルサイドビュー
下写真は、複数のノズル設計案をもとに試作した例です。部品全体の形状、大きさなどいろいろなパターンを作り、実験して最適な形状を求めることができました。
ノズル部品の複数案検証モデル
カルテック社がForm 2やForm 3Lを導入し、とてもうまくお付き合いされている印象を受けました。その理由を考えてみると、
・いろいろなアイデアをためすことができる環境づくりができていること
・やってみよう、というチャレンジ精神が強いこと
・工夫することで足りない点を補おうという考えを持っている、
といった点ではないか思います。
導入当初、造形モデルの匂いが気になり、光触媒除菌脱臭機の検証の邪魔になった事があったそうですが、日に当てて乾燥させると匂いが取れる事がわかり、いまではそういった工夫を施されています。
また、パッキンの試作にエラスチック系の軟質材造形を試したのですが、なかなか思ったような質感にならなかったそうです。そのため、硬質材料で型を作り、シリコンを流してパッキンの試作を行っているとの事です。
匂いがあって試験ができない、軟質材の質感が合わない、とあきらめるのではなく、独自に工夫を凝らすことで課題を克服し、うまく使用されている要因だと思います。
カルテック社のFormlabs3Dプリンタ活用事例まとめ
・Form 2 / 3Lを導入し、製品開発における外注コストの削減や、開発期間の短縮を図ることができました。
・試作内製化により複数のアイデアを試すことのハードルが低くなり、物を手に取って会話するなどコミュニケーションが深まり、アイデアの相乗効果を期待されています。
・Form 2 / 3L だけでは足りない点もあるが、 3Dプリンタの有効性をフルに活用し独自の工夫によって補う事で最大限の活用をされています。
【会社紹介】
カルテック株式会社
創業:2018年4月
大阪府大阪市中央区博労町3-3-7
事業内容:光触媒原材料 ならびに応用製品の開発、販売
HP: https://kaltec.co.jp/