「業務用3Dプリンタを選ぶ際には」のコラムの中で、選定のポイントをいくつか挙げましたが、今回はその中の 造形サイズ という点をほり下げてみます。
一般的には、必要とするサイズを定めて、そのサイズが造形できる3Dプリンタを検討する流れだと思います。
ところが、「必要とするサイズを定める」、というのが難しいことがあります。メインで造形したい物は小さいけれども、たまに大きい物を造形することがある、といったことや、造形する物は小さいけど数多く造形する、といった場合などです。
大型3Dプリンタ
大型の3Dプリンタを使用する場合、一度に大きなサイズのモデルを造形できたり複数のモデルを一度に造形できたりするため、時間の節約や運用のシンプルさが得られるメリットがあります。ただし、装置のコストや運送費用、保守費用、電力消費量などが増加する可能性があります。また、大型の3Dプリンタを設置するには広いスペースと適切な環境を準備する必要があります。
小型3Dプリンタ
一方、小型の複数の3Dプリンタを使用する場合、モデルのサイズに合わせて効率的に造形できます。多数のモデルを同時に造形する際には、時間管理がしやすくなる利点があります。ただし、複数の3Dプリンタをオペレーションすることは管理が複雑になる可能性があるため、その点を考慮する必要があります。使用者の運用ルールも複雑になる場合があります。
ある程度必要な造形サイズが決まったら、次は3Dプリンタの仕様やカタログで比較することになるかと思いますが、ここでも注意が必要です。3Dプリンタの造形方式によって効率的に造形する向きや方向などが異なります。それらを考慮しても十分な造形スペースがあるか実機で確認することをお勧めします。
まとめ
造形サイズを検討する際は、大型か小型かの選択に加え、コストや運用効率、オペレーションの複雑さ、スペース要件などを考慮しましょう。3Dプリンタの仕様やカタログで比較する際には、造形方式による効率性も重要です。