シリコン40Aレジンとは

シリコン40AレジンはFormlabsの出しているレジンの中で一番柔らかいレジンとなります、物性はシリコンそのもので水密性に優れている為シーリングとして使用も可能です。

造形の難易度

シリコン40Aレジンの前にはエラスティック50Aレジンが一番柔らかい素材でしたが造形が難しく造形可能モデルも制約がありました、シリコン40Aレジンはそれ以上に柔らかいのでかなり難易度は高い部類となります。また、造形環境の観点から見ても難易度は高く、匂いがきつい為換気が必要な点と酢酸ブチルをIPAに混ぜる等の特殊な洗浄方法が求められています。

造形設定と注意点

造形設定は通常通りPreformにてシリコン40Aレジンを選択するのみですが、サポート材を付けるとかなりレジンを消費します。

このサポート材を付ける際に注意点が必要で、薄いモデルの場合はサポートが貫通する恐れがある事とサポート跡がかなり目立つ点に注意しながらサポートを付けて下さい。

サポート材を使用しない様にモデルをプラットフォームに直付けする造形を行う際は、レジンタンクからのピーリングに負けてしまいモデルが落下する為プラットフォーム設置面積以上の断面積が出ないモデルに限られます。

造形後の洗浄

洗浄にはIPAと酢酸ブチルを8:2で混ぜた溶剤を使用します、酢酸ブチルの匂いが強いため換気の出来る環境にて洗浄を行う事をオススメします。

洗浄時にはForm Washの使用を強く勧めます、手での洗浄も可能ですがレジンの粘性等によりレジンが落ちにくいです。

洗浄時間ですが洗浄し切れない場合のみ追加で洗浄を行って下さい、洗浄後は確実にIPAが乾燥している事を確認してから2次硬化を行って下さい。

2次硬化

シリコン40Aレジンは他の材料と違い紫外線による劣化が激しいです、その為2次硬化では過度に紫外線を当てない様にビーカーに水を張りその中に造形物を入れて硬化します。

弊社ではこの際に臭い消しも兼ねてファブリーズを混ぜて硬化を行っています。

硬化設定は60度45分です、これ以上の2次硬化を行うと造形物が裂け易くなったり等劣化が激しくなります。

匂い取り

造形物の後処理が終われば完成ですがそのままですとかなり匂いが強い状態です、生ごみの様な嫌悪感はない物の同じくらいの距離感で匂いが漂ってきます。

匂い取りの方法としては2次硬化で使用する水にファブリーズを混ぜる事や扇風機で2日程匂いを飛ばし続ける事である程度脱臭が出来ました。

まとめ

シリコン40Aレジンはこれまでにない画期的なレジンではあるものの造形までの難易度が高く万人向けとは言い難いです、それでもシリコン40Aレジンを必要としていた方々にとっては待ち望まれていたレジンでもあります。