デジタルファクトリー 株式会社

  • カート
  • マイページ
  • お問い合わせ

〒111-0042 東京都台東区寿3丁目16番6号 鈴政ビル2階

  • TEL:03-6231-7390
  • FAX:03-6231-7393

3Dプリンタの導入目的

「業務用3Dプリンタを選ぶ際には」のコラムの中で、選定のポイントをいくつか挙げましたが、今回は、その中の「3Dプリンタの導入目的」という点を製造業向けに深掘りします。

3Dプリンタ技術は製品開発や生産プロセスに革新的な変化をもたらし、QCDの改善という点で企業に多くの利点をもたらしています。では、企業がなぜ3Dプリンタを導入するのでしょうか?これまで頂いた多くのお客様の声を整理します。

試作品製作

製品開発プロセスでは、試作品の作成、評価、そしてその評価を設計に反映するという一連のステップを迅速かつ正確に行うことが重要です。3Dプリンタの導入により、製品のデザインや機能を素早く評価することが可能となり、これによって、製品の開発期間を短縮し、市場投入までの期間を早めることができます。試作品製作目的の3Dプリンタには、高い表現力、物を手に入れるまでの速さ、オペレーション性などが求められます。

サンプル製作

市場のニーズを早くキャッチすることや、部門をまたぐデザインレビューや量産前の生産技術との調整など、さまざまな場面で図面だけではなく実物があると分かりやすいことが多いです。試作品製作と似た内容ですが、他者とのコミュニケーションツールとしての意義が強く、手に持った感触やビジュアル的な評価、専門部門との意思疎通などに効果を発揮します。3Dプリンタを活用することで、これらの要素を実現し、より効果的なコミュニケーションと意思疎通を促進することが可能です。サンプル製作目的の3Dプリンタには、高い表現力、オペレーション性、材料の豊富さなどが求められます。

治工具製作

治工具は生産プロセスで重要な役割を果たしており、3Dプリンタはデジタルデータから直接物を製作できるため、治工具の設計から製作までの時間を大幅に短縮することが期待されています。多品種少量生産などの需要増加により、さまざまな治工具が必要とされるケースが増えています。また、3Dプリンタの利点を活かして、治工具のデザインや機能における新たな解決策が生まれる可能性もあります。治工具製作目的の3Dプリンタには、耐久性と安定した材料物性、柔軟な設計変更への対応などが求められます。

製品製造

3Dプリンタで部品や製品を作りたいという声は多く集まりますが、その目的はいくつかのパターンに分かれます。まず、多品種少量生産への対応です。顧客の多様なニーズに応えるためには、さまざまな種類の部品を少量生産する必要があります。3Dプリンタは型を使わずに物を製作できるため、柔軟な製造プロセスを提供し、顧客の要求に迅速かつ効率的に応えることができます。

また、オンデマンド製造も重要な要素です。必要な数量を必要な時に必要な場所で作ることで、製造数や供給時間、在庫などの改善が期待できます。従来の製造方法では部品の供給に時間と費用がかかることがありますが、3Dプリンタを活用することでその課題を解決できます。さらに、3Dスキャナの進化により、現物から3Dデータを作り、それを基に3Dプリンタで部品を製作する手法も注目されています。

さらに、新しい設計や製造手法を探求することも3Dプリンタ導入の理由です。3Dプリンタは従来の型を使った製造方法とは異なるため、複雑な形状や内部構造を持つ部品の製作や、複数の部品を統合して組み立て工数を削減するなど、新たな製品開発の可能性を提供します。つまり、3Dプリンタでしか実現できない部品や製品を作ることができるのです。

製品製造目的の3Dプリンタには、耐久性と安定した材料物性、システムとしての堅牢性、高い表現力などが求められますが、すべてを3Dプリンタに求めることは現実的ではありません。そのため、後工程で必要な補完措置を行うことや、それを含めた総合的な評価基準をしっかりと持つことが重要です。

まとめ

企業にとって多くの利点をもたらしている3Dプリンタ。しかし、造形方法や材料などで様々な特徴があるため、目的をしっかりと設定し、自社のニーズと目標に合わせた3Dプリンタの導入を検討しましょう。

pagetop