FUSE Blastとは?
FUSE BlastはFuse1で造形された造形物の表面をガラスメディアを使って研磨する後処理機械です。
ブラストされた造形物は表面にあるサーフェイスアーマーや細かい積層痕を目立ちにくい様に処理し、より実製品に近い外観にする事が出来ます。
設置する際の要件
本体を設置するにあたりいくつかの要件があります。
まずはコンプレッサーです、Formlabsが公式に案内しているコンプレッサーの必要スペックは以下の通りです。
- 12.7SCFM(360 SLPM)@ 90psi(6.2 bar)の吐出空気量
- 4hp(3kW)モーター
- 30gal(114L)タンク
次に電源です、FUSE Blast 本体の電源は100Vですがコンプレッサー側の電源は200Vとなる場合がほとんどです。
最後にスペースです、本体のスペースについては作業領域も含めて「こちら」にメーカーより案内があります。
しかしコンプレッサーについては記載が無い為、設置計画では忘れないようにしましょう。
使用するメディア(研磨材)
弊社では「ポリッシングシステム」と呼ばれるものを取り付けています、これはFormlabsが公式に提供する研磨システムで普通のブラストよりもより綿密な表面研磨が可能です。
この他にもメディアを用意しましたが、本体に取り付けるフィルターの細かさ等からメーカーより200 ~ 300μm(50/70メッシュ)のガラスメディアを推奨されています。
実際の稼働の様子
ショールームで実際に動かして造形物をブラストしてみました、使用感はFormlabsの紹介動画の通りで造形物を入れた後にスタートを押すだけでブラスト出来ます。
造形物が20cm以上あると回転部分からこぼれてしまうので手でブラストしました、実際にやってみると目で分かる程度には表面が変わっていく様子がわかります。
また、コンプレッサーの性能にもよりますがかなり動作音がします。
ブラストした物の比較
ブラストした物は表面が滑らかになりザラザラした感触は感じません、色味は黒く見えますが研磨剤でそう見えているので洗浄したら元の灰色に戻ります。
洗浄後は灰色で造形直後と変わらないものの、よく見ると「バレル研磨されたとき」の様に白み掛かっています、これはバレル研磨時と同様に表面のパウダーが削られて白くなったと考えられます。
表面は光沢が出るほど滑らかですが、吸水性等は変わらないので造形物の使用環境は無垢のままと変わらず気を付ける必要があります。
FUSE Blast の強み
この機械は通常のサンドブラスト等の機械と機構的には変わらずブラスト結果も同様です、それこそ表面研磨という点で見れば過去に制作したバレル研磨機と同じような機械です。
ではなぜFUSE Blastが必要となるか、これにはFUSE Blastでは他の機械では省略されがちな機能であるメディアの自動再利用やポリッシングシステムの他にオートメーション化された研磨が可能という点で他の機械よりも優れるためです。
特に粉末造形の後処理としてネックとなる「造形物に付いたままの粉末」を自動で除去できる点が現場では喜ばれます、この粉末除去は少数の造形物であればオペレーターが手で除去するのも苦ではありませんが、大量に造形物がある場合はFUSE Blastを使うことで時間の節約と均一な品質を実現できます。
また、FUSE Blast はFuse1専用の機械という訳ではありません、他のSLS造形機等がある場合でも同様に使用頂けます。
ブラストについて見学や実際にテストを行ってみたいと感じましたら「こちら」よりお問い合わせ下さい。